Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://arzuluq.blog42.fc2.com/tb.php/49-accb5691

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

九州交響楽団 第283回定期演奏会

指揮:秋山和慶
ヴァイオリン:渡辺玲子

リヒャルト・シュトラウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 作品8
                アルプス交響曲 作品64

今年度最初の九響定期はこの数年恒例となっているリヒャルト・シュトラウス・プログラムで、作曲者10代の時に書かれたヴァイオリン協奏曲と円熟期の傑作、アルプス交響曲です。

リヒャルト・シュトラウスは若い頃は著名なホルン奏者であった父親の元で保守的な音楽教育を受けていて、このヴァイオリン協奏曲もその時代の作品です(同じ時期にホルン協奏曲第1番も作曲しています)。後年見られるような饒舌さはまだなく、時にシューマンやメンデルスゾーンを想起するほど古典的な曲ですが、逆に考えると18歳までにここまでしっかりとした構成の曲をものにしている、シュトラウスの才能に驚かされます。今回の演奏でもソリストの渡辺玲子さんの流麗なソロと雄弁に語るオーケストラが、この若き日の傑作を魅力的に表現していました。

後半の「アルプス交響曲」は実に雄弁にして華麗、なおかつ深みのある音色が奥行きを与える素晴らしい演奏でした。夜明け前の薄暗い中に山の姿がおぼろげに浮かび、やがて壮大な日の出を迎える冒頭から充実した響きが広がり、シュトラウスの音楽の豊穣さを存分に堪能できました。

しかし何と豊かな表情を持つ音楽でしょう!壮大な自然の目覚めに続いて意気揚々と山へと挑む登山者の姿、切り立つ岩肌、周囲にこだまする狩りのホルン(今回は録音だったけど、普段は舞台裏にホルン、トランペット、トロンボーンによるバンダが控えています)、滝と水飛沫、花畑、牧場・・・やがて登山者は道に迷ってさまよい、その先に突如として氷河が広がり、危険な足場を越えて頂上を望む・・・やがて霧が出てきて日がかげり、登山者の心の中に不安がよぎったかと思うと遠くから雷鳴が聞こえ、やがて嵐となる・・・そして嵐が過ぎ去った後に訪れた荘厳な日没の情景、その中で登山者は一日を振り返り(この付近がこの曲の真のクライマックスだと思います)、また夜の闇に戻る・・・

こうした情景を豊かに描いていますが、シュトラウスは別な視点からこの曲を描いています。実はこの曲を書くにあたって彼は哲学者、ニーチェの著作「アンチクリスト(反キリスト者)」に多くの影響を受け、古典的な信仰心に対しての自然崇拝を賛美する4楽章からなる大規模な作品にしようとし、そればかりかスケッチの段階ではタイトルを「反キリスト者-アルプス交響曲」としていました。1911年5月の日記に彼はこう書いています・・・
私は私のアルプス交響曲を「反キリスト者」と呼ぼう。なぜならそこには自らの力による道徳的な純化、創造による救済、すなわち永遠の、そして栄光の自然への崇拝があるからである
「オーケストラで描けないものは何もない」と言われるほど確かな情景描写を得意としていたシュトラウスですが、その華麗な表情の奥底にはここまで深い思想であったのです・・・こうして考えると、過剰とも取れる情景描写もそれなりに意味があるものだと感じます。

もはやここにはかつての保守的な面は消え、あえて反逆的な姿勢で、当時停滞気味であった西洋文明に渇を入れるような革新的な姿が浮かびますが、彼自身が後年ナチスによって利用された事を考えると何とも皮肉なものです。そのナチスはニーチェの思想も自らのイデオロギーの為に利用したが、そのニーチェ自身が反ユダヤ主義に対して強烈な嫌悪感を抱いていたのもこれまた皮肉なものです・・・
スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://arzuluq.blog42.fc2.com/tb.php/49-accb5691

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

コンサートの感想もツイッターに書き込んでます

プロフィール

Masahiko

Author:Masahiko
生息地:福岡市
出没地:音楽のあるところ(笑)

好きな音楽を中心に書いていこうと思います。仕事に追われている中でも美しいものに多く触れ、気分をリセットしたいです・・・多くの仲間を作り、出来ればコンサートなどで感動を共有したいです(^o^)

ランキングに参加しています

ブログランキング・にほんブログ村へ

クラシックブログ

にほんブログ村 クラシックブログへ

クラシック音楽鑑賞

にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ

クラシックCD鑑賞

にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ

アクセスカウンター

オンラインカウンター

最近のトラックバック

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。